有限会社 岡本屋 様

―今回は、別府市で和風旅館を経営されている「有限会社 岡本屋」

岩瀬公男会長、岩瀬智昭社長、岩瀬裕子専務のところに伺いました。

 インタビュー:加藤会長、加藤元(担当者)

加藤:今日は月次の数字を検討する会議の後にお邪魔させていただきました。 早速ですが、インタビューを始めさせてください。

明礬を代表する和風旅館岡本屋さんですが、創業したのはいつ頃ですか。


岩瀬社長(以下社長):明治8年です。 中津出身の岩瀬保彦が初代です。


加藤:中津の方が、どういう経緯で別府の明礬で開業することになったのですか?


岩瀬会長(以下会長):この一帯の鶴見10町は、久留島藩の飛地でしたが、岩瀬家の先祖が士業で山奉行をしていた関係で、明礬で火薬の材料となる硫黄採取をしていたわけです。ですから、硫黄や湯の花の販売を始めて、ここに居つき旅館を開いたようです。



加藤:業歴が長いですが、社長で何代目になります?


社長:7代目です。


会長:初代から6代目までは、私を含め皆養子だったのです。


加藤:すると現社長が、初めての男の子だったのですね。 大変なお喜びでしたでしょう。


会長:おばあちゃんが大喜びで、ご先祖様の生まれ変わりだと言って、この子のお尻一つ叩いたら駄目だと言っていました。


社長:よく叩かれましたけどね(笑)


加藤:すると、社長をすることは覚悟していたと思いますが、専務の立場から社長として会社を引き継いだことで何か変わったことがありますか?


社長:ありますね。責任の重さを感じます。 特に、銀行関係はそれまでタッチしていませんでした。

―月次監査で予算と実績の管理をすることにより、数字を見ることで変わったことを聞いてみました。


加藤:今日も、月次の試算表を検討する会議をされていましたが、予算を立てて毎月の予実管理をしていますね。数字を見ることで何か変わりましたか。


社長:そうですね、会社の方針を明確にすることができるようになりました。経営方針を定め、目先のことだけでなく、長期的な展望で経営することができます。


加藤:どもとしても、お客様に予実管理をお勧めしているのですが、事務の平野さんが経理に詳しいこともあって、予算を立て実績との比較を毎月出来るようになっていますから、社長がおっしゃったように、一喜一憂することが無くなったのでしょう。


加藤:ところで、経営をする上で、大事にしていることはありますか?


社長:まず、宿泊業に徹していくこと。業を通じて、明礬温泉の改善に努力し、明礬地区の発展に寄与したいと思っています。

―和風旅館岡本屋さんの強みを聞いてみました。


加藤:ビジネスホテルが多くなっている時代ですが、和風旅館岡本屋さんの強みは?


社長:街中と違った立地で、落ち着いた自然に囲まれ、緑豊かで眺望もよく、しかも、高速道路のインターからも近いといった地の利があります。都会の方から、ホテル型に泊まるよりも、和風の旅館に泊まると、心が和むと言っていただけます。建物は古くなってきますが、よきものを残していきたいと思っています。


会長:もともと、温泉は健康に良いということで人気があったのです。別府八湯の一つである明礬温泉は、硫黄泉で美肌への効能があり、昔から人気です。

加藤:確かに、岡本屋さんの露天風呂は有名ですね。露天風呂はテレビ等のメディアによく取り上げられていますね。


会長:明治のころから、露天風呂があったようです。当時としては珍しく、別府の歴史を編纂した本にも岡本屋の露天風呂として紹介されています。

もっとも、硫黄の採取で穴を掘ったところにお湯が沸きだし、露天風呂ができたと考えると自然な成り行きだったのかもしれません。


加藤:露天風呂のお湯は乳白色ですね。


会長:湧きだしたお湯は透明ですが、お湯の中に成分が混じっていますから、それが沈殿していくにつれて、青みを帯びた白濁色になります。

加藤:いま、インバウンドが多くなっていますが、韓国客が激減してかなり影響を受けたホテルが多いと聞いていますが、こちらはいかがですか?



社長:もともと韓国からの団体客の受け入れはないので、影響はないのですが、ラグビーワールドカップのお陰により、イングランドスポンサー企業45名で3日間貸し切りになりました。別府市からの紹介で、半年前に視察に来て、気に入っていただき、予約につながりました。 

―関連会社の「有限会社 明礬観光」について聞いてみました。


加藤:関連会社の有限会社明礬観光についても少しお聞かせください。

会長:ともと、湯の花の採集し、道路わきで売っていたのが始まりです。

加藤:明礬と言えば、湯の花小屋ですが、明礬温泉独特の雰囲気を醸し出していますね。


会長:湯の花小屋は木と竹で骨組みをし、カヤとわらで覆います。小屋の底を平にしてそこに青粘土を敷き詰め地獄の噴気をあてると湯の花の結晶ができます。 ただ、地獄のど真ん中にありますから、小屋の痛みは激しく、管理に手間がかかります。


加藤:地獄蒸しプリンが大変な評判ですね。


岩瀬専務:お陰様で、好評をいただき有難いことですが、製造には気を使っています。以前は売店と離れたところに地獄蒸しの設備があったのですが、効率が悪く、建物をリニュアルしたのをきっかけに、建物に隣接した位置に設備を移転しました。

 ところが、地獄の蒸気は100度ありますので、作業しているところでは50度以上の蒸気を浴びる過酷な環境での作業となります。また、自然の噴気ですから、日々条件が違ってきますし、それを見極めながらの作業になりますから熟練した技術が必要となります。後継者の養成が課題となっています。

  好評をいただいている要因は、シンプルな味にこだわってきたことではないかと思っています。添加物で味をつけるのではなく、原材料は作り始めた頃と変えずに、素材の良さで勝負しています。

会長:硫黄泉の噴気が独特の味付けをしているのでしょう。それで、「地獄蒸し」という商標登録をしています。


加藤:新しい製品を販売しているそうですね。


社長:湯の花を練りこんだクリームや石鹸を販売しています。医薬部外品である湯の花に美肌効果があることはわかっていましたが、自然の産物ですから、刺激が強すぎて、扱いが難しいといった面を抱えていました。

そこで、3年ほど前に、湯の花を練りこんでクリームや石鹸にしてみたところ、アトピー性皮膚炎で長く苦しんでいた方から喜んで頂き、リピート客が増えています。


加藤:これからの展望は?


社長:いま、簡易宿泊所が多くなっています。今回のワールドカップのお客さんも、安い所から埋まっています。夕食を出さずに宿泊のみの形態も多くなってきています。流れが速いので、柔軟に対応し、伝統は守りつつ、次の時代につないでいきたいです。

 お客様情報

有限会社 岡本屋 様

〒870-0843

大分県別府市明礬4組

℡ 0977-66-3228

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